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[45]1月11日(日)。入院42日目。体重77.5kg。(第五章:1月11日〜1月13日・そして退院へ)

| 入院編

体重の落ち方も少なくなり、今日は昨日と変わらなかった。まだ多少のぴりぴり感は残るもののむくみもすっかり無くなり、足そのものはまるで別人のようにげっそりとしている。利尿剤の量も減っていることともあわせ、尿の回数も量も減り、健康時のそれに近くなった。検査の回数も検査内容も減っている。例えば肺内の水のたまり具合を調べるレントゲン撮影も、入院からしばらくは肺だけでなく足の部分など一度に何枚も撮られたが、最近では肺の部分だけ、しかも真正面からと横からの2枚だけとなった。

もっとも、乾燥肌はまだ残っている。足の裏も乾燥でぼろぼろに皮がむけ、とてもではないが他人に見せられるような状況ではない。酷いところだと、一部むけた部分の下の皮がさらに乾燥し、二重の乾燥肌が形成されている。地層じゃないんだから、と自分の足の惨状(?)を見ながら苦笑い。

朝食はパン、トマトと玉ねぎ、鶏肉などのスープ、きゃべつときゅうりのサラダ、バナナ、ジュース。

朝食を採ったあと、混雑しないうちにと朝一で入院費のうち請求書が来ているものの支払いを行う。つくづく保険に入っておけばよかったと悔やむ。保険に入れなかった事情は先の通りだが、退院後に言ったところで「無理してでも入っておくべきだった」とか結果論を持ち出されて詰られるに違いない。金額の高さだけでなく、結局責められるネタにされるかと思うと、余計にストレスがたまる。考えすぎ云々ではなく、実際にあるのだからたまらない。

週一回見回りに来る、薬剤師に退院後の薬についての質問をする。風邪を引き気味になった場合、いつも使っている薬は大丈夫なのかとか、時間的に飲み損ねてしまった時の対処など、ありうるパターンをいくつか、具体的な例を挙げて質問した。とりあえず起きそうな件への疑問は解けたので一安心。

昼食。ご飯、コロッケ、しゃけ、きゅうりと油揚げとほうれん草のおひたし、大根おろし。

隣のB氏はどうやら心臓にトラブルをかかえており、ペースメーカーを身体に埋め込んでいるらしい。今回入院したのは、そのペースメーカーの電池交換のためだという。その手術が今日だとのこと。結構な規模の会社の社員で今は退職して悠々自適な生活をしているらしく、年に一度は海外で半月から一ヶ月、スキーを楽しむとか言っていた。こちらは保険とかで頭を抱えているのに、と比較して考えると、むなしいことは分かってはいるが、うらやましくもあり、悲しくなってもくる。

昼過ぎに、こちらも週一回ペースの、お偉い先生の病室巡回が行われた。病院関連のドラマでよく見かける、大先生とそのあとにずらずらと弟子医者らがついていき、複数の患者を診て回る、あの巡回だ。大先生から簡単な指診などを受け、「もう退院して良い」とのお墨付きをもらう。後は明日の採血やレントゲンの検査の結果が問題なければ、退院は確実。もっとも、退院と言っても自宅療養は続くのだが。

夕食。ご飯、豚肉の揚げ物、餅入りの汁粉、わかめと大根の酢の物。

就寝前にナースステーション横にあるラウンジで、医者と退院日やその後について、病状に関する説明などを受ける。退院日は1月13日に決定。早い方がいいので、午前の退院を希望。朝食を採った後各種手続きを行い、昼前には退院となる予定。

入院時の様子や直後の検査の結果では、あと数日入院が遅れていたら命が危なかったかもしれないくらいの危機的状況だったことも改めて知らされた。確かに今から思えば入院直前になると「半死状態」だったのは疑いようもないが、周囲のプレッシャーなどでなかなか入院に踏み切れなかったのも事実だ。自分に正直に生きないと、命すら失いかねないと再認識した。

それくらい病状が悪化していたので、過去の事例から見て、三か月ほどじっくりと水を抜いてむくみを取り、それからネフローゼ自体の治癒にあたる予定だったことも教えてくれた。さらに、いざ治療を始めてみると、水が抜けるのと病状の改善が思った以上に早かったので今回の退院となったこと。ステロイド系の薬を投与していることや急速な体重減少、治癒の度合いが続き、改善していくかを見極めるため、当初予定の三ヶ月、つまりは2月一杯は自宅での静養が必要だとも告げられた。先のお願い項目一覧ともあわせ、それらを反映した診断書の作成をお願いした。

ただ、病状が今後悪化するようなら、結局キャンセルとなった胃カメラ検査や、専用の施設が整っている別の病院での腎臓生体検査(一週間くらいかけて何度かに渡り針を使って腎臓の細胞を直接抜き取って調べる検査)をする必要があるかもしれないとも注意された。再発することが無いよう、くれぐれも注意しなければ。

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