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2010年04月18日
エネルギー政策が見えてくる・世界主要国のエネルギー源をグラフ化してみる
2010年04月18日 19:38 | 解説・ニュース
電気事業連合会は2010年4月15日、「図表で語るエネルギーの基礎2009-2010」を公開した。今回はそこで公開されているデータを元に、世界主要国において一次エネルギーをどんな手段で取得しているかをグラフ化し直してみることにした。各国のエネルギー事情が概要的ながらも把握できるはずだ(【該当ページ】)。
まず「一次エネルギー」そのものについてだが、これは自然界に存在するそのままの形を用いてエネルギー源として使われているもの。化石燃料(石油、石炭、天然ガスなど)、ウラン、そして水力・火力・太陽熱・太陽光・地熱などの自然エネルギーから直接得られるエネルギーが該当する。ちなみに「二次エネルギー」というのもあり、これは電気やガソリンなど、一次エネルギーに手を加えて得られるエネルギーを指す。
まずは一次エネルギーの消費量の比較。2007年とやや古めで、例えばアメリカなどは景気後退で減少が見込まれる一方、中国は急速な工業化による大幅な増加が予想される(これは後ほど改めて言及する)。

↑ 一次エネルギー消費量(石油換算・億トン)(2007年)
やはり莫大な工業力を持つアメリカの消費量が一番多い。次いで中国、そしてグンと下がってロシア、日本が続く。これらの一次エネルギーは直接使われる他に、二次エネルギーの加工用としても用いられるため、人口増加以外に工業化などでも大きく変動する。
続いて各国の一次エネルギー源分布。石油や天然ガスなどに区分し、どの一次エネルギーをどのくらいの割合で用いているかが示されている。

↑ 主要国の一次エネルギー源(2007年)
特徴的なところを挙げると、
・中国は7割が石炭
・ロシアは5割強が天然ガス
・イギリスやイタリアも天然ガスが4割を占める
・フランスは原子力が4割近くと主要国中最大の割合
・インドは中国に次いで石炭使用率が高い
・イタリアは(2007年時点では)原子力がゼロ
などが目に留まる。
まずイタリアだが、これは1987年に「脱原発政策」が国民投票で決定してから、原発ゼロを貫いていた。しかし度重なる電力不足と隣国フランスからの供給の不安定さが問題視され、2009年2月にはフランスの協力で原発新設を決定するなど、方針転換を果たしている。ただし今グラフは2007年時点のもののため、ゼロのまま。逆にフランスは原子力の割合が多いが、これは多分に同国の独立独歩的な政策によるところが大きい。
また、中国は7割が石炭を一次エネルギー源としている。石炭は安価で経済性に優れているものの、【原油高騰がもたらしたもの・北海道産の石炭が再注目を集める】でも言及しているように「適切」で比較的「高い技術力」による処理をしないと、二酸化炭素の排出量など環境面での負担も大きい。【2007年時点で二酸化炭素排出量がアメリカを超えた国は……どの国がたくさん二酸化炭素を出しているかがひとめで分かる図2007年版】で解説しているように、中国の二酸化炭素排出量がアメリカを超えて世界一となっているのも(恐らく直近ではさらに差は拡大しているはずだ)、石炭によるエネルギー確保がメインとなっている構造が大きな要因と考えてよい。
日本の場合は別記事で詳細を語ることになるが、石油への依存度が主要国の中でも比較的高い。しかもそのほとんどすべてを輸入に頼っている(【国産原油の産出量をグラフ化してみる】)。エネルギー戦略上決して良い状態では無いため、少しずつ構造変化が進められているが、色々な問題が積み重なっており、まだまだ先は長いように見える。中長期的な戦略眼を持った上での強力な政策が求められよう。
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