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ゲーム紹介
海外シャードでの他愛も無い会話  インターネットを経由して世界中の人たちが同一のサーバーにアクセスし、自分の分身を操り、Virtual Worldにて生活していく。ちょっと前ならまるでサイエンス・フィクションの世界でしか語られなかったようなゲームとして1997年にアメリカで登場したのが『Ultima Online(UO)』です。その名前から想像出来るように、Origin社(今はEAの一部門)の名作ロールプレイングゲーム『Ultima』シリーズの世界観をはじめとした各種設定などが使われおり、外伝的作品でもあります。

 2001年1月現在、世界中で21万人以上のアクティブユーザーがおり、世界最大級のネットワークゲームとして名を知られています。また、ネットワークを介して多人数が同時に一つの世界でプレイする、MMORPG(多人数同時参加型ネットワークロールプレイングゲーム)の代表作品としても世界的に有名となり、他の多くの作品に影響を与えつづけているのです。今後海外で続々と発売される予定のMMORPGも、多かれ少なかれ『UO』の影響を受けているといって間違いないでしょう。

偉大なるドラゴン、WWとのご対面   『UO』では現在5つの在日シャード(Shard、破片世界。同時並行世界のようなものです)を含めて20以上ものシャードの中で好きなシャードを選び、自分の分身たるキャラクター〜ブリタニア人〜をその世界に登場させます。ディスプレイの目の前に広がる世界には、家や木々、道路があり、小動物や人間たちがごく普通の世界のようにリアルタイムで動き、活動しています。それらの人間の中にはNPC(ノン・プレイヤー・キャラクター。コンピュータ側で動かしているキャラクター)もいますが、多くは他のプレイヤーが動かしている、彼らの分身たちです。彼らはそれぞれの端末からの入力を元に動き、会話し、行動し、ブリタニア人として生活しているのです。貴方のキャラクターの目の前にいて、貴方に話しかけてきた戦士が、実際には数千キロも離れた場所からアクセスしている、異邦人であることも珍しくありません。

 プレイヤーはこの世界(ブリタニア)での目標を、自ら考えることになります。既存のゲームのように「魔王を倒すこと」のような、定められた目的が存在しないのです。社会規範を形成する仕組みや各種ルール・システムはきちんと作られていますから無茶なことは出来ませんが、たいていのことは可能といってよいでしょう。

 例えば剣術を覚えてモンスターを倒し、名声を上げていくのも良いかもしれません。あるいは魔法を鍛えて一級の魔法使い、動物調教の技術を鍛錬して動物らと共に敵をなぎ倒すのも面白いでしょう。ブリタニアは街を一歩離れると、危険が一杯です。数々のモンスターが徘徊していますし、ダンジョンにはそれ以上に強力なモンスターたちが侵入者を待ち構えています。また、Feluccaと呼ばれる対人戦が許されている世界では、PK(PlayerKiller)と呼ばれる「他のプレイヤーキャラクターを倒すのを目的としている」プレイヤーの魔の手も待っていることでしょう。もちろん、彼らPKの立場になることも可能です。

らまぱん〜Asukaの露店パン屋  生産のシステムが多数用意されているのも『UO』の魅力の一つです。料理の腕を磨いて露店で自分の料理を売ったり、大工として椅子やタンスを売ることも出来ます。鉱石を掘り、武具を鋳造し、戦士たちに売り歩き、一流の鍛冶師として名を馳せることも不可能ではないでしょう。それぞれの生産業の技術を卓越したレベルにまで持っていくにはそれなりの時間と苦労が必要になりますが、その苦労が報いられるだけの成果と見返りは得られるはずです。例えば鍛冶技術が上限まで上がる(Grand Master、GMと呼ばれます)と、自分が作った高品質の武具に名前を彫ることが出来、名工として名を知らしめることが出来るのです。

 また、お金が貯まってくれば、家の権利書を購入して家を建て、自分の家とすることもできてしまいます。この家には安全な金庫(Secure Box)をおける他に、色々なアイテムを固定して飾りつけし、自分だけのデコレーションを楽しめるのです。さらにこの家をプライベートなものとするのではなく、お店として開放し、ベンダーと呼ばれる店員を雇って商売を営むことまで出来てしまいます。ベンダーはプレイヤー自身がアクセスしていない時にも商売を続けていますし、自分で作ったり手に入れたアイテムを自由な値段をつけて売ることができますから、店長の気分で運営が可能です。

Minoc祭りinAsukaでの様子  そして『UO』の、またMMORPGの最大の魅力の一つが、「コミュニケーションツール」としての存在でしょう。プレイヤーの中には生産や戦いは二の次で、他のプレイヤーとのコミュニケーションを一番楽しんでいる人も少なからずいます。『UO』が無ければ絶対に出会えなかったであろう人たちとのVirtual Worldでの出会い、そして時間の共有。少々大げさかもしれませんが、人々がこれまで体験し得なかった新しい魅惑的な世界がそこに広がっているのです。この世界では他愛もないおしゃべりや世間話、イベントへの参加、新しい出会い、そして別れなど、あらゆる出来事が起こり得ます。そしてそれらは決して単なる「ゲームの中での虚実の出来事」などではなく、オンライン上の世界でなされている、もう一つの現実なのです。

 様々な可能性と新しい世界を我々に教えてくれた『UO』も3年目を向かえ、技術の進歩に伴う形で一部3Dを取り入れたオプション『Ultima Online:Third Dawn』(ウルティマ オンライン:第3の夜明け)が間もなく導入されようとしています。常に変化を続ける有機体のような世界である『UO』。これからどのような世界を我々に教えてくれるのでしょうか。

(2001.2.4.)


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