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2008年05月03日
株主優待の継続保有の「優待」措置、増加中(その1)
2008年05月03日 14:37 | 知っ得情報
株主優待を実施している企業に「長期保有株主へさらに優遇をする株主優待」が増えている。株主優待をさらに優待する制度、ちょっと間が抜けている表現だが、考察してみることにした。
このような流れの背景には大きく分けて二つ考えられる。一つは「企業買収対策」。最近はスティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック(Steel Partners)の動きに代表されるように、特に外資による企業買収の動きが活性化していることに由来する。上場している以上不特定多数の「株主」の総意で企業は経営されるのだが、「株主価値の向上」などという名目で会社事業を切り売りされたり経営計画を振り回されるのは勘弁こうむりたい、そう考える経営陣も少なくない。
そこで「株主優待」というカードを切ってロイヤリティ(忠誠心)の高い株主(≒議決権)を多くキープし、そのような流れに対抗しうる勢力を形成。プロキシーファイト(議決権上の闘争)に勝利しようと考えるわけだ。ところがテレビなどで報じられるように、「権利確定直前に株式を購入し確定直後に売り抜け、優待ゲットだぜ」という「にわか株主」が増加し、いざという時には(企業にとって)頼りにならない株主が増えているのも否定できない。
そこで「短期売買の株主でも仕方ないけど、できれば継続して保有して欲しいな」とする企業の意志を示すため、長期保有者にはさらに「優待」する株主優待制度を設けることになったものと考えられる。
もう一つは一つ目の要素とも関係するのだが、「上場企業の株券の電子化」が大きな要因。この制度は証券実務のスリム化を目指し、2009年1月から上場企業の株券はすべて電子化され、紙の株券は無効(有価証券としての価値がなくなる)というもの。この仕組みが導入されることによって、企業では「本当の長期保有株主」と「権利確定時のみのにわか株主」とを明確に区別することができるようになる。企業としては後者よりも前者に優遇したいのは当然といえよう。
「本当の長期保有株主」を容易に調べることができるようになる「上場企業の株券の電子化」導入に先駆けて、あらかじめ優遇措置を制度化しておこう、というのが各企業の動きなのだろう。
長期保有株主をさらに優遇する企業は、今後ますます増加するに違いない。それと共に株主優待への注目度が一層高まるだけでなく、株式売却益による利益を得る「中短期売買型投資」と、長期保有でじっくりと利益(配当や株主優待による)を堪能する「長期型投資」の二極化も促進されるに違いない。外資の攻勢による「企業買収の活発化」と「株券の電子化」が、投資スタンス・戦略にも大きな変換点をもたらすことになるかもしれないといえよう。
同時に「長期型投資」を望む個人投資家には、これまで以上に「長期保有をしても安心な銘柄」……つまり途中で財務が怪しくなって優待を縮小・廃止したり、果ては上場廃止となるようなリスクを負わない……を選択するための選択眼が求められるに違いない。
※当記事は【株主優待の継続保有の「優待」措置、増加中(Garbagenews.com/2007年2月掲載)】を修正したものです。
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