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[40]1月6日(木)。入院37日目。体重78.6kg。(第四章:1月1日〜1月10日・「めでたさも中くらいかなお正月」)

| 入院編

起床時間である朝6時前、隣ベッドのK氏がふらふらとゾンビのように立ち上がり、外に出て行った。トイレに行ったようでもなく、しばらく戻ってこないので、恐らくは煙草を吸いにいったのだろう。習慣とはいえ、執着の仕方が末恐ろしくもある。

朝食。パン(クロワッサン)、ジャム、角チーズ、マーガリン、ブロッコリーのスープ、バナナ、ジュース。ジャムとマーガリンが一緒に出たが量が多すぎて、パンにつけきれない。ジャムはなめることにする。

K氏の虚言癖はとどまるところを知らない。退院日について「3日か4日」と言っていたがその日はとうに過ぎてしまった。すると今度は7日か8日だと看護師や見舞いに来た親族に言い出した。スケジュールを調整しなければならない親族も大変だな、と端から思う。

午前の医者の巡回。体重の急激な減少は元々ネフローゼが原因の水分が減っているからというのが主な理由だが、他にも元々水ぶくれ的な肥満傾向もあったのではないか。そのような推測から、食事に少し制限を加えてみたのだという。つまり検査の結果が悪化したからではなく、もう少し体質的に食事の面からやせなさい、とのこと。少なくとも病状によるものではなくて一安心。

また、退院日が確定したら、今回の入院や退院後の自宅療養を証明してもらう診断書の作成のお願いや、退院前に一度自宅への仮外出について申請することを伝える。

昼食はうどん、きゅうりとわかめの酢の物、鶏肉となるとといんげんの煮込み。

午後1時半からは栄養指導を受けに指導室へ行った。栄養指導の先生は、通院時のとは別の人だった。以前、外出時に購入した栄養辞典「五訂」と質問リストを元に、色々と質問をする。

退院後の食事療養における制限は、一日あたりのカロリーが1800kcal、たんぱく質が60g、塩分が5から7gが目安とのこと。他の成分、例えばカリウムなどはあまり気にしなくてもよく、むしろ良質のたんぱく質……動物性たんぱく質の方が吸収が良いので「良いたんぱく質」といわれている……やエネルギーとなるものを積極的に採るよう心がけるようにと言われた。

健常な人の健康法だと豆腐などの豆類をはじめとする植物性たんぱく質が奨励されているが、逆に動物性たんぱく質を薦められるあたり、何となく違和感がある。どちらにしてもカロリー自体の制限から、ボリュームたっぷりのステーキなどとは無縁なことに違いはない。

主食となるパンやご飯は、通常のものでかまわないという。病院食も通常のお米を用いているとのこと。たんぱく質制限者用の専用食品も発売されているが、たとえたんぱく質を1/3程度に抑えたものでも味はかなり落ちるらしい。まだ食べたことがないので、味を確かめるためにも、退院後に一度試してみることにしよう。おかずのことを検討する上で調整が必要なら、普通のご飯ではなくたんぱく質制限のご飯を食べる、という採り方がベストなのかも。

また、水分は「それなり」という指導。大量に摂取しなければ、の意味なのだろうが、すでに入院生活で水分をあまり採らなくても良いような癖がついているので、注意していれば問題はないだろう。また、お酒は医者に確認すること、コーヒーは不可、紅茶は1日薄めに1杯程度なら大丈夫らしい。

栄養指導から帰ってみると、看護師から12月16日から31日までの分の請求書を渡された。支払い窓口は土日祭日は休み、平日も終了時間が早い。今の時間ではかなり混んでいるはずだ。来週の火曜日に払うことにしよう。

巡回に来た医者とK氏が退院日についてもめていた。K氏は自分の思い違い(あるいは虚言)から明日か明後日には退院できると別の医者が言ったと主張し、巡回の医者は「検査をした上で決めることだから」とそれを否定。駄々をこねるK氏に、同席していた親族が「もう黙って」としかりつける場面もあった。

医者が帰った後、K氏は親族に「酒は禁じられてるけど、飯食えないから飲んでやる」と愚痴をこぼす。親族が止めるようになだめると「いいよ、もう!」と怒鳴りつける。頑固、というより我がままにしか見えない。病気が再発して痛い目にあうのは自分自身だからまさに自業自得でかまわないのだが、迷惑を被る他人の身になったことはあるのだろうか。

テレビのイヤホンについても、親族が「隣の人や周りに迷惑だからイヤホンをつけないと」と注意すると「聞きづらいからいやだ」と自分のことしか考えていないような返事をし、つけたイヤホンをすぐに取り外す。自宅ではよっぽど甘やかされているんだろうな、と思うとかえってかわいそうにすら思えてきた。とばっちりを受けるこちらはたまったものではないが。

夕食。ご飯、練りさつまいも、きゃべつの千切り、海老とたらのフライ、大根煮物、ビスケット2枚。デザートにしては妙な位置づけのビスケットだが、どうやらメニュー上のたんぱく質関係の調整に難儀したようで、無理やり添えられた気がする。久々の菓子類の登場自体はありがたいことだが、ご飯やフライと一緒に食べろというのはどうかな、と思う。

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