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2008年05月04日

両建てをすれば優待タダ取り!?

2008年05月04日 15:17 | 知っ得情報

昔から語られていた優待がらみの「裏技」として、クロス取引(両建て)がある。信用買いでは株主優待はもらえないのはすでに別所で述べた通りだが、「ならば現物で対象の株式を買い、同時に信用売りをしてしまえばいい」というもの。現物で優待確保の権利を確定したら、翌日「信用の売りを現物の買いで現渡しし、相殺する。そうすれば理論上は株主優待だけタダ取りできる」という考え方だ。

・権利確定最終日
「現物買い」
「信用売り」

権利 ↓ 確定

・権利落ち日
「現物」を「信用売り」の現渡しに使う

見た目は「権利落ち日にどんなに株価が下がっても、手持ちの現物を受け渡しするのだから損はしない!?」ようにも見える。配当は「配当落ち調整金」で相殺されてしまうし、単に現物買いをしただけと比べて手数料は2倍(信用売りの分)かかるし、貸し株料もとられるが、大したものではあるまい……。

……というのが以前の考え方。しかしネット証券が普及し、同じやり方を考える人が増えたことから、信用売り向けの貸し株数が足りなくなり、高い追加貸し株料が求められるようになった。俗に言う「逆日歩」の発生である。しかも貸し株料は営業日ではなく実日数で計算されるので、休日や祭日がはさまると累乗的に逆日歩も積み重ねられていく。優待の金額の何倍もの逆日歩を取られ、大損をしてしまうことも少なくない。

逆日歩は事前に分からない。事前のパターンを踏襲すると考えて「前回までは発生しなかったから今回も……」とやってみたら、その回に限り大きな逆日歩が発生することもある。両建てのリスクは大きい。あまりお勧めは出来ない方法といえよう。

証券会社の中には、逆日歩が発生しない一般信用取引を行っているところもある。この場合は逆日歩の悲劇を体験することはないが、金利は高め。数百〜数千円のお米やお米券が優待のターゲットであることを考えると、やはりあまりお勧めできない

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