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2008年07月19日

[食事]味付けの話

2008年07月19日 15:28 | 手法(食事) , ダイエット手法

歳をとってくると味覚が鈍るため、味付けの濃いものを食べたくなる。ところが体にとっては味付けは薄い方が良い。そこでよく「おじいちゃんのために薄味にしたんですよ」「何の味も感じられん!(と、どばどばとしょう油をかける)」「うきー!」という、ありがちな状況があちこちで発生する。また、病院食やダイエット食の多くも、味付けは薄くなるものである。

味の薄い濃いは大抵において、調味料としての塩分やしょう油などの多い少ないが関係している。味が濃い方がその味を十分にたん能できるのは事実だが、同時に必要以上の味付けは、過度の塩分を採る手助けをしてしまうことにもなる。

それに塩分をはじめ濃い味のものを食べると、どうしても喉が乾く。これは塩分を過度にとったため、体が水を求めるために起きる症状。水が飲みたいのに我慢して飲まないでいると、ストレスが溜まり、結局体にはネガティブな結果となってしまう。かといって感じるがままに水分を採ると、それはそれで体に良い影響を及ぼすとは思えない。水だけでも採りすぎれば負荷になるのに、それがジュースや炭酸飲料ともなれば言わずもがな、である。

ダイエットをしている人が砂糖をはじめとした糖分を過度に摂取していることはよくあることだが、案外濃い味付けが好きである場合も多い。逆に「薄い味付け、さっぱり味が大好きなんだけどどうしても太っちゃってね……」という人を見かけるだろうか? 聞いたことが無いはずだ。

濃い味付けが好きということは塩分などを過度に取る傾向がある。それ自身体によくないし、水分の過度摂取の原因にもなる。濃い味付けのせいで味覚が麻痺してしまうと、同じ量の食べ物を摂取しても満腹感に違いが出てくるので、どうしても食べすぎてしまう。そうなると、どうしても量を採りすぎてしまうのだ。塩分そのものは体重の増加に直接関係はないかもしれないが、間接的には大きな要因となりうるのである。

最近良く聞く言葉として「味覚障害」というのがある。これは塩分ではなく亜鉛の摂取不足が主な要因だが、正常でない食生活をしているとよく起きる。何を食べても美味しいと思わない。だから刺激の強いものばかり食べて、ますます味覚だけでなく、体調そのものをおかしくしてしまう。激辛ブームは今やブームではなくて定着してしまっているが、飛びきり辛いものを食べても全然平気な場合、体そのものに変調をきたしていると思って間違いないだろう。

「辛いものは体の働きを活性化し脂肪分を焼却させエネルギーを消費させる。ダイエットには効果的。だからたくさん食べなければ」その考えも一理ある。カプサイシン効果などによるダイエット手法を否定しているわけではない。だがそのために体を壊したり、他の視点で考えた場合にダイエットにネガティブな効果を出してしまっては無意味なのである。

聴覚や視覚と違い味覚の障害は本人の自覚が薄いので認識が甘い場合が多いが、実は聴覚・視覚同様大変な問題。味覚がおかしくなるということは、食という人間にとって必要不可欠な行動を半ば否定されているのと同じだからだ。

すでに体が慣れていることなので、急に食生活上で完全に「味付け」を切り替えるのは無理な話。それに「しょう油や塩を一切使うな、濃い味付けなど敵だ」とまで過激に主張しているわけではない。だが、通常の味付けをして自炊率を高め、少しずつ調理の上で「コレイ」(コンビニ弁当、レトルト、インスタント)とおさらばするよう努力していくことで、そう、少しずつ努力して実践していくことで、体も少しずつ、だが確実に変わっていくはずだ。


[まとめ]
・濃い味付けは塩分の過度摂取に直結し身体に悪いだけでなくダイエットの敵ともなる。
・刺激の強すぎる食品を採るのは考え物。


[自分の場合]
自分の場合はダイエット云々ではなくて、ネフローゼ症候群の食事療養のために塩分制限があった関係で、味付けには色々苦労させられている。同じ症状の人向けのサイトを色々まわったり、関連書籍を何冊も買って調べ、少ない塩分や薄い味付けでも食を楽しめる方法を色々試したり実践している。

詳しくは関連書籍などを参照して欲しいが、例えばしょう油は減塩のものを使う(自分の場合は通常販売している「減塩しょう油」よりさらに塩分の少ない、塩分制限者専用のものを用いている。通販などで普通の人でも買えるのでご安心を)以外に、しょう油を使わずコショウを用いてみたり、焦げ目や食材そのものからにじみ出る汁を味付けとしてみたり、お酢などを使うなど、色々工夫している。

特に塩分の過多については、成人病の問題や最近ようやく考え方として広まりだした「食育」にも深く関連することであり、ダイエット云々だけでなく自分の食生活、そして暮らしそのものを見つめなおすためにも、じっくり考えてみて欲しい。

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