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2008年07月19日

[食事]空腹感

2008年07月19日 15:23 | 手法(食事) , ダイエット手法

食事を中心とした体重の減少を試みる、つまりダイエットをする際にもっとも大きな障壁の一つとしてあげられるのが「空腹感」。人間の本能として「食べ物を体に補充しないと満足な行動ができない」という危険信号が脳に伝わり、「食べ物口にしなければ」と思うようになる。そして何かを食べたいという衝動に駆られる。「空腹感」を少し細かく説明するとこんな感じだろうか。

ところが最近では驚くことに、明快な空腹感を味わったことがない人が増えているという。なぜか。明らかにお腹が減ったと思う前に、何気なくお菓子などを口にしてしまい、明確な「空腹感」を感じるまでに至らないからだという。小さいときからお菓子ばかり食べ、ご飯やおかずを食べない子供が増えている問題があるが、そういった子供のほとんどは、本来の「空腹感」を知らないことだろう。常日頃からお腹を満たしているために、「腹が減った」という状況を体が覚えていないのだ。

「空腹感」は説明した通り、人間の直接的欲求から、生命の危機感を回避するために湧き上がる欲望(というと生々しいが)。睡眠欲や性欲と同様、その欲望を充足することで得られる満足感があるからこそ、人間はそれを何度も繰り返すわけだ。

はっきりした「空腹感」を感じていないのに中途半端に食べ物を食し続けてしまうことは、「空腹感」を充足することによる「満腹感」の快楽を味わい損なうという大きな損失を被っていることに他ならない。また、食事に関する感覚も、人間が本来持っているものからずれ、体調に変調をきたすことになる。肉食・草食の傾向や地域性による違いはあれど、基本的に人間は朝昼夜の三食、決まった時間に食事を採ってこそ、「空腹感を感じ、それを食事で充足することで満腹感を得る」という、本来あるべきスタイルを取れ、体そのもののポテンシャル、本能を発揮できるようになる。

ずっと満腹、あるいは空腹でない日々を過ごすのは、一見すると「飽食」という幸せであるかのように見える。だが実は、人間の本来あるべき姿から外れており、体調が不調になる可能性を多分に秘めるだけでなく、「空腹感を感じている中で食事を採り、満腹感という幸せを得る」機会を失うという、大きな損をしているのだ。

少々話が大げさすぎたかもしれない。だが、規則正しい食事を採って(他項目であげたように「適切な間食」も含む)いれば、ある程度の空腹感は感じるはずだ。ましてやダイエットを始めた直後は、これまでとは違う食のリズムになじめず、普通以上の「空腹感」という苦痛を味わうことになるだろう。

だがそれを乗り越えてこそ、三度の食事がありがたく、そして美味しく思えてくる。食事を作る自炊という行動が楽しくなる。山登りでは、登る過程が大変だからこそ、頂上からの眺めが美しいのだ。ヘリコプターなどで一気に頂上に登って眺めても、味気ないだけである。

もちろん、いくら腹が減ったからといって極度の食べすぎは厳禁。他項目でも述べるが、食事はゆっくり、時間をかけて、よくかんで食べるようにしたいものだ。


[まとめ]
・規則正しい食生活を心がけ、「空腹感」を忘れないようにする。
・「空腹感」があってこそ、食事を楽しめる。


[自分の場合]
入院生活では規則正しい食事を強制されたこともあり、そのリズムに身体が慣れてしまった。もちろん慣れるまでは、空腹感のあまり腹がぐるぐる鳴りっぱなしで正直辛かった。自分の隣のベッドの患者たちは家族の差し入れなどを食べていたようだが、自分自身は「一刻も早く治して退院したい。そのためには医者が決めたもの以外を口にして病状回復が延びてしまうことなど言語道断」という信念のもと、病院内の売店での誘惑にも負けず、間食は一切しなかった。

退院して自宅療養を経て現在の加療状態でも、食事の時間はできるだけ同じ時間帯になるよう努力している。栄養価の問題から量も制限される場合が多く、必然的に腹がなるほどの空腹感を感じることも多い。昔はそういう場合はちょっとおせんべいを買ってきてパクリ、としていたのだが、今では「空腹感を経ての食事」の魅力を励みに、我慢できるようになった。

「大の大人が空腹ごときで何偉そうなことを」と思う人も多いだろう。だが、こういうちょっとしたことから人間は変わることができるのだ。その証(あかし)が自分の今の姿であると信じている。

それでもやはり、今でも空腹感は辛いものがあるし、前のようにお菓子をパクパク食べたいなという願望がまったくなくなったわけではない。悟りを開くまでにはいたってないから、とでも説明できるのだろうか(苦笑)。

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